全国大会

2009年10月25日


全国大会のあの大きな舞台に、わたしたちの音楽が響き渡りました。


1年前、あの舞台に初めて立って、正直圧倒された。
だけど、今年はそんなのなくて。
ただここにもう一度立てたことが嬉しくて、ワクワクして、ドキドキしてた。


わたしたちが選んだ今年課題曲は4番。
すごく明るいマーチです。冒頭はシンバルとトランペットのファンファーレで始まる曲。

先生が構えて、わたしたちも楽器を構える。
後ろのほうから、トランペットの人のブレスの音。

そして会場全体にわたしたちのサウンドが広がった。


その瞬間、思わず、笑顔になった。
すっごくキレイに響いた。今まで一番キレイに。

そこからは、本当にあっという間に時間が流れていった。

課題曲が終わって、自由曲。
自由曲もどんどん流れていって、ラストに近づく。
それに連れて、少しずつ実感した。

「もう、あと数秒で、全てが終わってしまう」


そして、ラストの一音が会場全体に響く。余韻が残る。先生が合図をする。

立ち上がった瞬間、会場全体から聞こえる歓声と拍手。
全然こらえきれなくて、涙がどっと溢れてきた。

舞台からはけて写真撮影の場所に行くまでも、3年生はみんな泣いてた。
歩いてるときも、全然知らない人から
「すごくよかったよ」「感動したよ」「お疲れ様」
って声をかけてもらって、ちゃんと一人一人にお礼を言って歩いてたけど、
本当に、かなり泣いてたから聞き取りづらかったと思います。

そして結果発表。
わたしは副部長としての最後の仕事、表彰式に出るためにまた黒床に立ちました。

すっごくドキドキした。演奏のときよりも緊張してたと思う。
でも、舞台からみんなが座って祈ってるのが見えて、
「わたしはみんなの代表でここに立ってるんだ、胸を張って笑顔でいよう」
って思ってみんなに笑顔を向けて立ちました。

学校の名前が呼ばれ、前に進む。


「○○高校　　ゴールド　金賞」


その瞬間、湧き上がる歓声。部長と一緒に受け取った賞状とトロフィーを天高く突き上げました。
みんながそれを見て、すごく喜んで泣いているのが見えた。
心の底から、この仲間と音楽ができてよかったと思いました。


ホテルに帰って、顧問の先生と外部コーチからのお話。


どちらの先生もすごく笑顔で、今までで最高の演奏だと言ってくれました。
外部コーチの先生はこんなことも話してくれました。

「人生は、ほとんどが勝負と、分かれ道で出来ています。

人間関係というものがある以上、競争というものは必ず生まれます。
きっと辛くて逃げ出したくなることもあるでしょう。
だけど、そんなときは今日のことを思い出してください。
君たちは、この1年間を通して“勝負”にどうやったら勝てるかを学んだはずだから。
分かれ道にたったときも、自分を見失わずに、自信を持って、自分が選んだ道を歩いてください。

そして、君たちが素敵な大人になってくれることを心から願っています」


この3年間は楽しいこともあれば、辛いこともたくさんあった。逃げ出したくもなった。
でもそんなときは、いつも仲間がいて、わたしも誰かを支えたし、誰かに支えてもらった。
分かれ道にたったときもあった。でもそこで、選んだ道を自信を持って進んで、
絶対にあきらめなかったら今のこの結果に繋がったんだと思う。

先生がいう、素敵な大人ってなんだろうな。
きっと去年のわたしなら、曖昧なままその言葉を受け入れてたと思う。

だけど、今ならわかる気がするんだ。



先生がいう、“素敵な大人”に、わたしもなれたらいいな。





最後に、今まで3年間一緒にがんばってきた3年生、こんな私たちを熱心に指導してくださった先生方、
ついてきてくれた後輩、時に優しく、厳しく指導してくださった先輩、陰で仕事をしてくださった保護者の皆様、
教室でいつも支えてくれた友達、そして、家族。

わたしに関わってくれたたくさんの皆さんに、心から感謝申し上げます！



3年間、本当にありがとうございました！